ラーメン

あれは真冬の頃のことだった。

「ラーメン食べにいかへん?」

そう友人が、夜半前に電話をかけてきた。
寝間着姿にダウンジャケットを着込み、サンダル履きで彼の家にゆく。

では、ということで、寒風吹きすさぶ中、武蔵野の夜道をさまよう。
彼のアパート近くのラーメン屋はもうすでに閉まっていたので、青梅通りなら何か深夜でラーメンをやっているところがあるだろうとまたとぼとぼ歩きだした。

「吉祥寺でええーんちゃうん?」
そういって早く食べようと彼に催促する。

「いや、荻窪や。それがええ!!!」
そういって、人のいうことを聞かない。

「しゃ~ないなぁ~」
ここまで来たら、何処でも行きましょうという気にさせるから、彼は不思議な魅力がある人物である。

「荻窪、全部閉まってるやん!!!」
二人とも溜息しか出ず、足のつま先が凍えていて、感覚がなくなりはじめた。
そのまま、東へと向かう。

「えっ、新宿やん!!!」
そうなのである。新宿の高層ビル群が明りをちらつかせながら我々を出迎えている。
ビル風がひときわ氷のような厳しさで服の隙間から入り込んでくる。

「おっ、雪やでー!!!」
何と追い打ちをかけるように雪が降り始めたではないか。

もう後戻りはできなかった。このまま四谷の大学の教会まで行こうということになった。
教会は暖かった。大学の授業が始まるまでここでしばし休むこととなった。

三鷹から四谷まで。徒歩で5時間。

何故こんなことになってしまったのか?
何故引き返さなかったのか?
何故妥協しなかったのか?

我々二人は、この時すべてがONだったのだ。Vamos!!!だった。脈絡などない。
何がそうさせたのか・・・・わかるようでわからないままだ・・・・・。

その友人もこの世にいない。
さみしいものだ。こんなことができる人間がいたのである。

ほとばしり出るもの。ここから始まったような気がする。一つの出発点。

Vaya Con Dios.(神々とともにゆけ)
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「毒蛇は急がない」

Bayartai!

野人

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by yajingayuku | 2014-11-02 20:36 | 木陰のランプ