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初酒

イタリアの下宿先の大家さんの家に夕食のお呼ばれがあった。
「これは!!!」と唸っていると、大家さんが「こいつは農家から買った赤だ。ルビー色をしているだろう。美味いんだ。ガロン瓶で買って、こうして瓶に詰め替えてやっとるのよ」と少し誇らしげにグラスを傾ける。事実、彼のガレージにはガロンの大瓶が2,3本ストックされていた。
この赤ワインの小娘は、アルコールのパンチをほとんど感じさせず、まるで水のように飲める子だった。
食事には最高の伴侶である。ただ、飲み続けていると、後からアルコールが遠くから追いかけてやってくるのである。

幾らでこいつを買っていたか聞くのを忘れたが、ワインを買うとなると、普通にイタリアのコープで買うのと日本だと雲泥の差がある。まぁ~今では安いワインは日本でも手に入るようになったが、この小娘のような純水の1杯はない。まだめぐり合わない。山梨の方、このような小娘知りませんか?決して、葡萄ジュースではありませんので・・・。

ワインの搾りかすの液を幾度か蒸留して出来たアルコールどの高いやつは、イタリアでは「グラッパ」と言われていて、フランスでは「マール」である。
バールでエスプレッソに、食後こいつを入れて飲む人もいて、とても愛されている。
日本では、目が飛び出るような値段のグラッパも売られているらしい。日本では何でも手に入るんだな、これが。

赤のこのうぶな小娘に出会ったのが、30歳代だったが、酒を初めて嗜んだ記憶は高校生のときのことである。まさしくヴァージンのとき・・・。

友達数人で、誰かの家で夕方密かに、酒とつまみを買い込んで実験を始めた。あるやつがカクテルの本を持っていたのがきっかけであったが、教科書通りではなく、分量を適当に配合して作ったものだから、どれも強い酒となった。でも曲りなりにつくり続けていると、目を剥くような一杯ができた。
その名は「モスコ・ミュール」。ロシア語で「ロシアのラバ」の意味のこの酒が今も忘れられない。
壁にもたれて眠ってしまったのだろう、壁と平行にL字型になっていた。目が覚めると視線の先の畳の目が揺れていた。

この初体験は平凡なものだが、その後の酒行は、「アイタタタ・・・」というのがあるので、最初のような爽快な思い出は相殺されてしまうのである。

近年、酒が弱くなったと感じています。何か、これはという栄養ドリンクはないでしょうか?
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「毒蛇は急がない」

Bayartai!

野人

by yajingayuku | 2014-08-10 20:11 | 木陰のランプ