イタリア紀行(1)

1996年9月半ば、私は単身イタリアに向かった。ダ・ヴィンチ空港に降り立った私は、不安と期待で震えていたことを思い出す。ローマ市内まで通じる電車に乗る切符の買い方さえ分からない私は、よくもまぁ~、ペルージアという田舎町まで辿りついたものだと今更ながら感心してしまう。

ペルージアでは、3~4日間チェントロのホテルに泊まっていた。この間、新聞で下宿先を探し出そうとするが見つからない。仕方なく宿泊を延長し、外国人大学に登録し、滞在許可書の発行を待つ学生の長い列に並んだ。前の日本人女性に話しかける。話が弾み、昼食をしようと言うことになる。彼女には、彼氏がいて、駅前のレストランまで一緒についてきた。

背の高い若造だった。席に着いて話し始めると、外見とは違い、19歳と言うのにしっかりしたやつだった。給仕が持ってきた白ワイン。「オルヴィエート・クラッシコ」。これが半端じゃなく美味しい。生まれてはじめて美味しいワインを飲んだ。これからというもの、白ワインでこれ以上の美味しいワインには出会ったことがない。

S君。今でも親交を深め合っている彼とは、何気ない出会いで知り合った、一生涯の友人となった。彼の勧めで、空き家になる彼の下宿先に転がり込むことに成功した。そのアパートには、女性が2人下宿していて、共同生活が始まった。S子ちゃんとA子ちゃん。2人とも外国人大学に通っている。S子ちゃんは大家さんで、イタリア語が既に堪能で、底抜けに明るくてしっかり屋さん。A子ちゃんは年上で、おっとり型。S子ちゃんの最初の印象では、僕を受け入れ難いやつ、と決め付けられていたそうである。しかし、それも生活してみて解消されてゆくのだが・・・。

こうして、3人による、共同生活に始まり、3年と2ヶ月のイタリア滞在が実現した。あとは天に任せるしかない。「あたって砕けろ」。ルビコンを渡ってしまったようだ・・・。

野人
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by yajingayuku | 2009-07-30 05:21 |