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文房具

「象が踏んでも壊れない」という筆箱のCM。香りがついた消しゴム。鉛筆のキャップ。肥後守のナイフ。
消しゴムのかすを、下敷きで静電気を起こして踊らせたこと。

勉強は苦手で、嫌いで、成績も悪かったが、こと文房具に関しては興味が尽きなかった。
友達から新しいアイテムを見せられた時などは、万引きしてでもそれを手に入れたい衝動に駆られた。
字は下手で、文房具は綺麗な字になるための何ら手助けにもならなかった。

父もまた文房具マニアであった。
戦中戦後の父の文房具を手に取って使えたというのは貴重な経験である。
コンパスは、海軍で使っていた、丈夫一式の硬派な作りで、重く、非常に使いやすかった。
雲形定規も沢山あった。どれも使い方は教わらなかったが、想像をめぐらして使っていた。

ペン・万年筆・鉛筆の類は腐るほどあった。
父は習字が好きで得意だったので、筆・硯も沢山あった。

文鎮は彼にとって必需品であったようで、机の上に乱雑にころがっていた。
メモ帳・ノート・原稿用紙などなど。

彼は晩年、60歳後半からワープロを始めた。
かなりの原稿を打ち出して整理保存していた。

親子というのは似るものだ。
私も少しは文房具マニアの血が流れているらしく、文房具売り場は、本屋と同様最高の憩いの場に感じる。目移りするのだな~これが。

道具というものは、機能のよさと美的センスが追求されるものだが、所有欲を余すことなく満たしてくれるものでもある。
色んなコレクションがあるが、文房具というのは、少年少女が最初にやるコレクションだろう。
物欲にまみれた姿かもしれないが、文房具集めほど身近な物的快感はないと思う。

さて、コンピュータは文房具でしょうか?
そう、違いますね。文房具でできることを一台でやってしまうものです。
さぁ~、たまにはペンをとりましょう!
あの、自分だけのノートを作った喜びを再び・・・。
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「毒蛇は急がない」

Bayartai!

野人

by yajingayuku | 2014-08-26 19:47 | 木陰のランプ