酒場

フランス語で、キャバレーのことを「夜の箱」というそうである。
何かを言い当てているように思わないか?

酒場の歴史で私が知るところでは、古代ローマ帝国の一地方都市であったポンペイのことが挙げられる。
大阪の下町にあるような、一軒の酒場の玄関を入ると、L字型のテーブルがあって、その中は調理できるようになっている。今の酒場と変わらない。テーブルには大きな穴が2,3箇所あり、そこに鍋などを置いて煮炊きしたようである。室内の壁には、絵があったりして、このまま開店しても十分繁盛しそうな雰囲気である。

つまみには何が出たのであろうか?塩を振りかけて焼いた野豚、鰯を原料にした魚醤(ガルム)を使った煮物やパンといった軽食も出されたようである。

酒は勿論ワインであったが、古代の世界ではこれを水で割って飲んだ。夏の炎天下の中では、高山から雪や氷を持ち帰り、ワインをかけて食したりした。ワインは当然のことながら薄いものだから量は相当なものであったろう。一軒の貴族の邸宅を見ると、食堂に溝が走っていることがある。ここには絶えず水が流れていて、ローマ人たちは、大食した挙句に、いったん食べたものをその溝に吐いて、お腹を空っぽにして、また食べ続けるようなことをした。

酒場に何故、人は行くのか?呑兵衛たちの行き着く議論だが、ある者は寂しいから、ある者は気分転換で、ある者は話が面白いから、などなど意見は百家争鳴である。
ある文筆家は、売春宿と酒場の止まり木が人生の学校だったというものもある。
確かに、酒場で聞く話は、耳学問だが、何かしら悟らされたり、考えさせられるものがある。

ペリーもハリスも終生酒が好きであったように、酒の魅力は計り知れない。そこには身分や国境や境遇を越えた楽園がある。そうある種の楽園である。

でも、次のような李白の詩(「独酌」)を肝に銘じておこう。

「ただ酔中の趣を得ても、醒める者の為に伝うるなかれ」
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「毒蛇は急がない」

Bayartai!

野人

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by yajingayuku | 2014-08-08 21:13 | 木陰のランプ