椰子の実

ローマに近い古代の港、オスティア。夏の炎天下の砂浜では、よく日焼けしたジプシーの少年が、椰子の実にストローを刺してこれを売り歩く姿を見かける。試しにこれを一口、口に含んだが、生ぬるく何も味のない渇きなど癒えるものではなかった。
日本には、南洋冒険譚、南洋幻想というった話が多くある。
小学校の教科書にも載っている、柳田國男の椰子の実の話はあまりにも有名だろう。
椰子の実だけではない。瓶詰めの手紙が届く話もある。
海があるおかげで、日本にはいろんなものがたどり着く。
近年では、タンカーの船体に海水を注入して船のバランスを取るときに、異国の海から色んなものが海水とともに母国に運ばれてくることがある。
到底日本には生息しそうにない貝類が日本の港で見つかる話はよく聞くことだ。
外国のゴミでも流れ着くし、地震で流失したものも外国の海岸にたどり着く。
人も潮にのってやってくる。
南伊豆に狩野川という川がある。この川の古層から木製の船が出てきた。
ある学者は、これはカヌーであると主張し、南洋から人がやってきた証拠だという。
そして、この狩野川の名前の由来も「カヌー」=「狩野」であるというのである。
出来過ぎた話なのであまり声を大きくして話し辛いが、物書きとしては想像が膨らむのである。
港は様々なものがたどり着く場所である。当然、船乗りたちはここを目指す。
男が女のもとにかえってゆくように・・・。
イタリアのヴェネチアには、海の結婚式というのがある。
左様に海や港や浜は女性に例えられている。
椰子の実とは象徴的だが、浜辺にたどり着くというのは、実のところ男と女の話ではあるまいか?
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「毒蛇は急がない」

Bayartai!

野人
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by yajingayuku | 2014-08-01 20:30 | 木陰のランプ