香り

腕の痛みを癒すために町一軒きりになった銭湯に行った。
帰り道、船着場のそばを自転車で走っていると、ふと潮の香りがした。

記憶を探ると、母方の郷里である島根県の港町の強烈な潮の香り、磯の香りが鼻を掠める。
まだ、ここでは夏を経験していないので何とも言えないが、太平洋より、日本海のほうが潮の香りが強烈なように感じる。季節、気候、体調にもよるだろうが、そう感じる。
あくまで個人的な感想である。

話は少し変わるが、花で好きなのは、蓮、薔薇、牡丹、木蓮、クチナシなどである。
これらの中で、クチナシは、私にとってアメリカの濃密な夏の香りである。
ホームステイ先の大家さんが漂わせていたのは、まさしくこのクチナシの香水の香りであった。

それから時間がたち、街中でこの香りに遭遇すると、あたりをきょろきょろするようになった。
香りの出所が分からない。
そんなことが何回かあり、3年前に父が他界した年の夏の終わりに、また街中でこの香りとであった。
マンションの植え込みの中に白い花と香りが結びついた。

クチナシであった。

ここでまた、記憶が更新される。
父とクチナシと・・・。

プルーストのマドレーヌ。私とクチナシ。

合掌。

Bayartai!

野人
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by yajingayuku | 2014-02-07 21:44 | 木陰のランプ