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イタリア紀行(31)

ポンペイにきてから最初の休日に、皆でナポリまで出かけた。研究所のほんの近くをヴェスーヴィオ周回鉄道が走っていて、駅が1分以内のところにあったので、チンツィアにをガイドに電車に乗った。ナポリで地下鉄に乗り換えて、地上に出ると、すぐに国立考古学博物館が見えた。その向かい側には有名な古本屋があり、少し立ち寄ってから、博物館に入る。ギリシア彫刻、青銅像などなど夥しい数の遺物群。ポンペイなどの遺跡から出土した壁画の一部も所蔵されていた。ここでのお目当ては、日本の教科書でもお馴染みの、「アレキサンダーとダリウスの戦い」である。特別にこのモザイク画だけの部屋があり、係りの目を盗んで何とか撮影することが出来た。

鑑賞するだけでくたくたになりなって博物館を出た。スパッカナポリ前の通りを歩くと警官が沢山出ているのが目に入る。チンツィアによれば拳銃で誰か撃たれたらしい。その狙撃現場には少しの血痕とこれを流した水をまいた後が見えた。そう言えば、ここは、カンパーニアのマフィア、カモッラの拠点であるし、私が訪れたエルコラーノもそのひとつだ。先輩は、「よくエルコラーノをひとりで歩けたなー」と言っていたのを思い出す。無知が人を助けたようである。この通りの近くにある中華料理屋で昼飯をとる。以前にも先生方が来店されたらしく、メニューは先生にお任せした。マーボウ豆腐が出てきたのには驚かされた。どこか日本の中華に似ている味付けだったことを憶えている。

山に登る階段を歩き、頂き付近の「カメオ」専門店に入る。日本語が少し出来る店員が対応し、隊員がかつて訪れたことを告げると大喜びしていた。近くのバールに入り、ナポリ湾が一望できるデッキでコーヒーを飲む。右手には大きな教会施設が建っている。ここで記念撮影をする。
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帰りは、ケーブルカーで山を降り、バス停のある大きな広場に着いた頃には陽が落ちていた。バスに乗り、周回鉄道の駅に向かい、電車に乗る。研究所に戻り、急いで夕食を作る。腹に詰め込むと、私だけ直ぐにシャワーを浴びた。皆、残業をしているのにもかかわらず・・・。

野人
by yajingayuku | 2009-08-30 00:47 |